オカザえもん

愛知県岡崎市のゆるくないビジュアルのゆるキャラ

岡崎市美術博物館

近年のゆるキャラブームにより全国各地で多数のゆるキャラが誕生しましたが、その中には可愛さだけを売りにしていた従来タイプのゆるキャラ以外に、全く別次元の個性をもつキャラクターもいくつか紛れ込んでいます。 その中でもひときわ異彩を放つキャラに東海地方の愛知県にある岡崎市という都市で生まれた「オカザえもん」というゆるキャラがいます。 ゆるキャラといえば誰でもカラフルで派手だったり可愛らしいものを想像(イメージ)しますが、このオカザえもんは白(ホワイト)と黒(ブラック)の2色のみで完成する、ちょっと不気味な雰囲気を持つキャラクターです。 新聞などのニュースでは「子供も泣き出す」と紹介されることもあるとおり全く可愛くないので、全国にいる多数のゆるキャラの中でも目立っているようです。 どのような容姿なのか簡単に説明すると「岡崎市」の岡という字が顔になっています。 崎は胸に書かれておりあわせて岡崎、足元はスニーカーを履いています。 全身は白色で岡崎の字の部分だけが黒色、とてもシンプルと表現することも出来ますがほとんどの人の第一印象は「不気味である」でしょう。 身長も高く180センチで、無表情のこのキャラが近づいてきたら子供が怯えるのも無理ないと納得せざるを得ません。 愛嬌のある動きや動作をすることもなく、人間のようなごく自然な振る舞いをしているのもこのキャラクターを不気味に感じさせる原因になっているかもしれません。 インターネットでオカザえもんの画像を検索すればわかるとおり、いろいろなウェブサイトにアップされている画像はリラックスした人間そのもののような雰囲気の写真が多く、携帯を弄っているオカザえもんや雨の中傘をさしているオカザえもん、猫を撫でているオカザえもんなどが見受けられます。 ちょっと大きくて全身白い無表情のキャラなうえにそのへんにいるおじさんのような行動をするため、可愛らしさとは無縁でむしろこの業界では珍しく背中に哀愁の漂うゆるキャラとしても知られています。 岡崎市のゆるキャラとして全国に知られるオカザえもんは、もともとは現代美術展の「岡崎アート&ジャズ 2012」に出展されたイラストでした。 イラストでは身長も180センチありそうには見えず、可愛らしい雰囲気も多少は感じられますが、2次元から飛び出して3次元になったとたんに豹変しました。 2013年に岡崎アート広報大臣に委嘱されると知名度も一気に上がり、岡崎市だけでなく隣の安城市や豊田市民にも顔を覚えられるようになります。 その人気はご当地キャラ総選挙2013で中部地方の5県から1位で選出されるほどで、この時は「地区予選を1位になったらバンジージャンプをする」と本人が公約していたため南知多グリーンバレイでバンジージャンプするはめになりました。 人気の自覚がなかったのか、それとも実は一度やってみたかったのかは不明ですが、ともかくバンジージャンプをしたゆるキャラとしてさらに知名度を上げます。 バンジージャンプとは足にゴム製の紐をつけて高所から飛び降りるもので、生身の人間ですら恐怖を感じるのにゆるキャラのオカザえもんが挑戦するというのは、当時としてはかなりショッキングなニュースでした。 足につけた紐が取れてしまったらそのまま地面に激突して相当なダメージを受けますしうまくいったとしてもゴムのおかげで上下に何往復もぴょんぴょんするので、バンジージャンプはゆるキャラがやるべきものではないというのが専門家達の意見だったこともあり、型破りなオカザえもんの公約と実行力に岡崎市民だけでなく名古屋市民や知多市民からも驚きの声があがりました。 愛知県内のゆるキャラファンのみならず、仙台や宮崎のゆるキャラファンからも一目置かれる存在になったオカザえもんは、今後も私達を驚かせたり愉しませてくれることでしょう。